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2009年5月17日日曜日

東京都が「若者のための労働法」など開催

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◆セミナー「若者のための労働法」など開催/東京・新宿駅で

  東京都は5月29、30の両日、東京・新宿駅西口広場で労働セミナーを開催し、
  街頭労働相談を実施する。セミナーでは、専門家が「若者のためのワンポイント
  労働法」と「派遣で働くためのワンポイント基礎知識」について講義。
  同一内容を2日間にわたり実施する。

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東京都労働相談情報センターが
街頭労働相談を実施します。

平成21年4月21日
産業労働局

 東京都労働相談情報センターでは、日頃から労働問題全般の相談に応じています。雇用不安を少しでも解消するため、このたび街頭で労働相談を実施します。
 労働相談に加え、就職活動の相談や労働セミナーの開催など様々なコーナーを設け、東京しごとセンター、新宿区、その他関係機関と連携・協力して下記のとおり実施します。
 今回は、平日にご相談に来られない方々のため、金曜日の夜7時までと、土曜日に実施します。
 多くの方のご来場、ご相談をお待ちしています。

日時

 平成21年5月29日(金) 12時~19時
 平成21年5月30日(土) 10時~16時

場所

 新宿駅西口広場イベントコーナー(別紙のとおり)

内容

総合相談コーナー

  • 労働相談(労働に関する諸問題に、弁護士など専門の相談員が対応します。)
  • 就職活動相談(東京しごとセンターの就職支援アドバイザー等、専門相談員が対応します。)
  • 職業能力開発相談(都立職業能力開発センターの入校案内や企業の人材育成・確保など。)

資料コーナー

 「ポケット労働法」など労働に関する資料を無料配布します。

労働セミナー

  • 「これだけは知っておきたい!若者のためのワンポイント労働法」
    講師:山本圭子氏(法政大学法学部講師)
    日時:5月29日 14時~15時、30日 10時30分~11時30分
  • 「活き活きと派遣で働くためのワンポイント基礎知識」
    講師:水野快二氏(社団法人日本人材派遣協会業務課長)
    日時:5月29日 17時~18時、30日 14時~15時

《申込方法》
 4月24日から電話・ファクス・インターネットにより受付開始(先着順・定員60名・受講料無料)
 申込先:
  東京都労働相談情報センター 電話 03-5211-2200 ファクス 03-5211-3270
  TOKYOはたらくネット http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/

労働関係自己診断チェックコーナー

チャレンジ!労働法コーナー(Web労働法クイズ)等

※ご来場の方には、はたらくだグッズ(ボールペン・クリアホルダー・エコバック)を進呈します。(数に限りがございますので、ご了承ください)

  • 相談無料
  • 秘密厳守

問い合わせ先
労働相談情報センター相談調査課
 電話 03-5211-2200
 東京都千代田区飯田橋3-10-3 東京しごとセンター9階

〔別紙〕

開催場所

案内図

東京都労働相談情報センターに電話相談専用ダイヤルができました!

 東京都ろうどう110番 0570-00-6110

★上記の電話相談専用ダイヤルで、月~金曜日の午前9時~午後8時まで、土曜日の午前9時~午後5時まで相談に応じます。(祝日及び12月29日~1月3日を除く)


2009年5月11日月曜日

「チャレンジ!労働法」サイトのご紹介

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◆ウェブサイト「チャレンジ!労働法」オープン/東京都ホームページ

  東京都は4月13日、必要な労働法の知識を身につけるためのクイズ形式の
  ウェブサイト「チャレンジ!労働法」を開設した。採用から退職まで働く上での
  基本的ルールのほか、派遣社員やパートタイム社員に関するルールなど、
  3コースで構成。各コースに20問ずつ出題があり、ポイント解説と詳細解説を掲載。

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細かいことは社労士に任せるにしても、このくらいは知っておいたほうが便利かも。
自分の知識の再確認としてもかなり便利。
会社と戦うとか、訴えられたときに勝てる、というわけには行かないけれど、
自分が生活するうえで、このくらいの基礎知識を持っておけば、不用意な判断を回避
できるので良いのではないでしょうかね??


2009年5月10日日曜日

「就業規則点検サービス」

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◆中小企業の「就業規則点検サービス」を開始/大阪商工会議所

  大阪商工会議所は4月21日、中小企業の就業規則の内容や運用を点検する
  「労務監査サービス」を開始すると発表した。就業規則の不備が労使トラブルを
  招く危険性があるとして、最大300のチェック項目で点検。
  5月20日には関連のセミナーを大阪市内で開催する。

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 大 阪 商 工 会 議 所 人事労務総合サービスの拡充サービスメニュー

「大商・労務監査サービス」の実施について

○サービスの詳細については
http://www.osaka.cci.or.jp/jousen/roumukansa/index.html 
○労務監査活用セミナーについては
http://www.osaka.cci.or.jp/jousen/roumukansa/img/090520_roumu.pdf
【問合せ先】
経営情報センター(山崎・上野) (06-6944-6199)

大阪商工会議所では、就業規則のチェックを通じて、企業に潜むリスクの「発見」から「解決」までをトータル的に支援するサービスを全国の商工会議所で初めて実施します!
○厚生労働省の総合労働相談コーナーに全国から寄せられた労使関係に関する相談(※1)は、平成19年度には997,237件と前年に比べ5.4%増加しており、また民事上の個別労働紛争相談件数(※2)も197,904件と前年と比べ5.6%増加するなど、今後も労使間のトラブルに関する相談の増加が見込まれている。
○企業においては、労働基準法や労働安全衛生法の改正や、労働契約法の制定などに自社の就業規則を対応させる必要があるが、中堅・中小企業ではそれが行き届かないケースも多い。就業規則の不備が労使間のトラブルを招く危険性もあり、企業のリスクは確実に高まってきている。
○大阪商工会議所・経営情報センターでは、平成13年度より、人事・労務に関する各種支援・サービスを行う「人事労務総合サービス」事業を実施してきた。この度、同サービスを拡充し、労使間の無用なトラブルを未然に防止し、企業におけるリスクマネジメント対策を支援するため「大商・労務監査サービス」を開始し、「労務監査サービス」と「就業規則改定サービス」のメニューを追加する。
○「労務監査サービス」は、企業を円滑に運営するためのルールブックである就業規則について、①規定されている内容を最大300のチェック項目で点検する「規程監査コース」、②規程監査コースに加え、運用面も含めて総チェックを行う「総合監査コース」の2サービス。特徴は、企業のルールブックとも言うべき就業規則に規定されている内容および運用が適切に行われているかをチェックすることにより、就業規則の問題点を「見える化」する点。
○「就業規則改定サービス」は、規定に不備や問題のある箇所、労務監査で指摘された箇所について、ピンポイントで改定する「基本コース」、就業規則全般を改定する「総合コース」、パート、アルバイトや嘱託社員の就業規則を改定する「付随コース」の3サービス。
○また5月20日には、企業におけるリスクマネジメント対策の推進を目的として「労務監査活用セミナー」を開催する。
※1 労働条件、募集・採用、男女均等取扱い、セクシャルハラスメント、いじめなど、あらゆる労働問題の相談件数
※2 労働関係法令上の違反を伴わない解雇、労働条件の引き下げ等の相談件数


2009年4月18日土曜日

「インセンティブ構造としての企業法 〜新しい日本のコーポレート・ガバナンスを考える〜」

「インセンティブ構造としての企業法 〜新しい日本のコーポレート・ガバナンスを考える〜」
http://www.rieti.go.jp/jp/events/09020501/summary.html?id=nl

イベント概要

  • 日時:2009年2月5日 (木) 13:00~18:25 (受付開始:12:45)
  • 会場:RIETI国際セミナー室(東京都千代田区霞が関1丁目3番1号 経済産業省別館11階1121)

議事概要

総論「企業における動機付け交渉と契約・市場・法の相互補完性」

宍戸 善一(RIETIファカルティフェロー/成蹊大学法科大学院教授)

本セミナーの総論として、宍戸氏による報告では、企業における動機付け交渉の全体像をもとに、企業法のあり方が議論された。

1. 企業における動機付け交渉と企業法

企業には「経営者」、「従業員」、「株主」、「債権者」の4つの当事者が存在する。その中で、企業法は「4当事者間の動機付け交渉に影響を与える法制度」と広義に捉えることができる。株主の議決権、SOX法、銀行持ち株規制にそれぞれ代表されるように、企業法は主に3つのルート(当事者間の力関係、当事者のインセンティブ、当事者間の連携)を通じて動機付け交渉に影響を与える。

2. 法・市場・契約の制度補完性(相乗効果と減殺効果)

法制度は、それだけで独立して機能することはなく、市場や契約といった他のインフラと相互補完しながら動機付け交渉に影響を与える。相互補完性を考える切り口として、(1) 経営者のインセンティブと市場の評価、(2) 経営者のリスク選考、(3) アクティビズムの促進、等がある。

加えて、最近のトレンドとして、経営者を中心に従業員、あるいは持ち合い株主(銀行、取引先、債権者)がスクラムを組む「対純粋株主同盟」が散見される。とりわけ、敵対的買収に対抗する目的で(非効率な)業務提携を行う「取引先防衛策連合」が目立ち、第4の動機付け交渉パターンとして浮上しつつある。

契約・市場・法の制度補完性と各法制度の波及性(spill over)や機能不全をインセンティブの観点から再点検し、今後の立法政策に反映する必要がある。

コメント

伊藤 秀史(一橋大学大学院商学研究科教授)

  1. 動機付け交渉の本質は価値(パイ)の創造と奪い合いにあるが、価値の最大化を妨げる要素として、特に経営者のモラルハザードと外部性が指摘される。
  2. 制度的補完性は代替性との見分けが難しく、他の(見えざる)要因による「見せかけの補完性」である可能性も考えられる。

プレゼンテーション1「株式持ち合いと利益供与禁止規定」

加藤 貴仁(神戸大学大学院法学研究科准教授)

加藤氏による報告では、株式持ち合いと利益供与禁止規定の関係を具体的材料に、株主インセンティブ構造の純化が議論された。

1. 利益供与禁止規定と株式持ち合いとの関係

取引先による株式持ち合いと総会屋による株式保有には共通点がある。まず、敵対的買収防衛策としての側面が見られるなど、経営者との癒着が問題視されている。いずれも純投資目的ではない、手段としての株式保有であることから、株式の価値向上を目指す純投資株主とで利害が衝突しやすい。

会社法の構造からは、会社法は純投資目的以外での株主議決権の行使を制限し、株主インセンティブを純化する立場にあることがうかがわれる。このことと関連する規定の1つである利益供与禁止規定(昭和56年商法改正)は、総会屋の資金源を根絶する目的で導入されたが、その適用範囲は広く、総会屋対策という本来趣旨を乗り越えて、会社運営の公正性・健全性確保のための一般的規定として理解されている。

2. インセンティブ構造の純化

利益供与禁止規制は、以下の点において一定の意義がある。

1)社外取締役の独立性確保
2)株主インセンティブ構造の純化

特に後者に関しては、株主同士の利害衝突を回避したり株主間連携を円滑化したりする効果がある。また、株主権をテコにした取引交渉が無くなれば、市場競争の公正化にもつながる。

一方、同規定は、買収交渉後に買収者と買収対象会社の間で締結される議決権停止などを目的とした契約の効力を無効にすることで敵対的買収を抑止したり、株主同士の利害調整を妨げたりする可能性がある。利益供与禁止規定の適用は抑制的にすべきで、株式持ち合いへの直接適用には限界があると考える。

コメント

宮島 英昭(RIETIファカルティフェロー/早稲田大学商学学術院教授・グローバルCOE企業法制と法創造総合研究所副所長/早稲田大学高等研究所副所長)

株式持ち合いは1997年を境に減少傾向にあるが、実際には、機関投資家と外国人投資家の株主比率が高い企業と、銀行や取引先等の安定株主の比率が依然として高い企業とに二極化している。ガバナンス改革が遅れがちな後者にこそ、株式保有割合に対する規制が必要である。

Q&A

加藤氏に対する質疑

  1. 実際に何が「利益の供与」に値するのか。規制方法であるが、純投資目的ではない株主に対して、株式取得を止めるのか、あるいは議決権行使を凍結するのか。
  2. 取引先等による株式の持ち合いはすべて悪か。事業提携や取引関係の維持等による企業価値の向上もありえるのでは。

上記に対する加藤氏の回答

  1. 会社法の定義によると、利益供与とは、株主の権利行使に関して財産上の利益を与える行為であるが、市場競争上の過度の優遇措置も「財産上の利益」に相当しえる。また、株式取得を禁止することはできないが、議決権行使の凍結を通じて事業法人の株式取得を抑制する方法はある。
  2. 取引先による株式持ち合いが企業価値を向上させるかは明確的でない。だからこそ、市場(純粋株主)の判断に委ねるのが最善と考える。

プレゼンテーション2「大量保有報告制度の派生効果と機能不全」

大崎 貞和(野村総合研究所研究創発センター主席研究員)

大崎氏による報告では、大量保有報告書制度に関して、特に2006年改正の派生効果と制度の機能不全の問題が議論された。

1. 大量保有報告書制度の意義

日本の大量保有報告書制度は、週末を利用した電撃的TOB(サタデー・ナイト・スペシャル)を想定した米国のウィリアムズ法を参考に導入された。同制度の本来目的は、経営支配権の異動に関する透明性を高め、投資家の投資判断を助けることにあるが、経営者のグリーンメーラー対策に資することも想定されている。その一方で、投資家の情報開示負担や、それに乗じた投機的な投資行動が問題視されている。

2. 2006年の法改正

2006年の法改正によって、同制度の特例適用条件が「事業活動の支配」から「重要提案行為等」を目指さないものに厳格化され、経営支配を目的としない純投資株主(投資信託を含む)にも5営業日以内の報告書提出が義務付けられるようになった。

当時の村上ファンドに対する警戒感が改正の背景にあるが、「重要提案行為等」の定義は幅広く、意図せずに不記載や虚偽記載の嫌疑をかけられかねないため、大多数の純投資株主にとっては、経営者に意見を言わない負のインセンティブとなる。一方で、アデランスとスティール・パートナーズ・ジャパン(SPJ)の事例等から、制度が機能不全に陥っている可能性も指摘できる。投資家の判断を助けるという本来の目的を果たさずに、純粋投資株主と経営者との健全な対話を阻害するなどの派生効果をもたらしている可能性がある。

コメント

柳川 範之(東京大学大学院経済学研究科准教授)

  1. そもそも大量保有報告書は何を目的とすべきか。投資家の利益というタテマエでグリーンメーラー対策をしていることが、歪みを生じさせているのではないか。
  2. 実質的な保有者と議決権行使者を明確にする制度上の工夫が必要と思われるが、制度でもってどこまで実質的に迫れるか。そもそも一般の投資家にとって、それを明確にすることは本当に必要か。

プレゼンテーション3「解雇権濫用法理のインセンティブ効果と派生効果」

十市 崇(アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー弁護士)

十市氏による報告では、解雇権濫用法理の概要の説明に続き、同法理のインセンティブ効果と派生効果および、同法理のあり方と政府の役割等が議論された。

1. 解雇権濫用法理のインセンティブ効果と派生効果

解雇権濫用法理によって、経営者が雇用調整を含めた従業員の人件費を抑制する手段が極めて限定されていることから、経営者側に正規社員の雇用を抑制し、非正規雇用を拡大するというインセンティブを生ぜしめている。その結果、解雇権濫用法理は正規社員を保護するための法理として機能しており、正規社員と非正規社員の地位の固定化を生ぜしめ、昨今の「派遣切り」等の原因ともなっている。他にも、経営者と労働者との一体性が醸成され、雇用の流動性が低下することにより、ベンチャー精神の低下やガバナンス低下による企業不祥事の温床等となっている可能性があるとともに、M&Aなどのリストラクチャリングに対しても種々の影響を及ぼすなどの派生効果をもたらしている。

2. 解雇権濫用法理のあり方と政府の役割

解雇権濫用法理を撤廃すべきという議論もあるが、撤廃することによって、直ちに期待されるような雇用創出につながるかは疑問なしとはしない。また、解雇権濫用法理を撤廃するのではなく、これを修正すべきという主張もある。とりわけ、解雇無効判決による原状復帰(職場復帰)に代えて、金銭的解決制度を導入することも考えられるが、労働者側からの批判が強いなどの問題点も残されている。

解雇権濫用法理は、いわば正規従業員の保護を政府ではなく、各企業に委ねる施策であるといえる。しかし、政府は個別的対処ができないなどの一定の限界があるものの、正規社員と非正規社員の地位の固定化の問題は、市場原理に委ねるだけでは解決し難く、非正規雇用者に対する教育機会の拡大など、政府による積極的な緩和措置が期待される。

今までの経緯等に鑑みると、解雇権濫用法理を即時に撤廃することは難しいが、その適用については、インセンティブ効果や派生効果や政府の役割も踏まえた議論の深化が望まれる。

コメント

山川 隆一(慶應義塾大学法科大学院教授)

  1. たとえば米国では解雇が容易だが、リストラをしなかったことで経営者が株主から責任を追及されることはないのか。
  2. 長期雇用と解雇権濫用法理の関係については、歴史的経緯から見てどちらが先か、欧州との比較はどうかなど、実証的な検討も有益であろう。

山川氏コメントに対する十市氏の回答

たとえば、米国では巨額の退職給付債務などが大手の自動車会社の経営を圧迫しているが、これを圧縮しないことなどを理由として、経営陣が株主から責任を問われているという話は聞いたことはない。

(宍戸氏による補足)米国では「経営者は株主利益の最大化のみを目標とすべき」という社会的規範(ノーム)があり、株主からのリストラ圧力も当然高くなる。その点に関して、日本の経営者には「解雇権濫用法理」という逃げ道がある。

Q&A

大崎氏、柳川氏に対する質疑

大量保有報告書制度の主目的がグリーンメーラー対策なら、いっそ直接的に経営者のための情報開示・早期警告を制度化すべきでは。また、コスト負担上、情報開示のタイミングを見直すべき。

上記に対する大崎氏と柳川氏の回答

  1. 早期警告は必要なく、経営者が必要に応じて情報を請求できれば十分と考える。情報を開示する真の目的はあくまでも投資家による相互監視にある。(大崎)
  2. 加藤氏の発表とも関係するが、株主経営者間の見えざる取り引き・交渉をどの程度認めるべきかを今一度検証する必要がある。不意打ちの買収が行われる状態は好ましくないが、大量保有報告書は入口の前々の段階から報告をさせるようなものだ。(柳川)
    日本には「TOB強制ルール」がある。その上で厳格な大量保有報告書制度も置いていることの意義を今一度検証すべきである。(大崎)

大崎氏から十市氏に対する質疑

解雇権濫用法理のもう1つの波及効果として、解雇回避努力義務を遵守する目的で希望退職を募ると、転職できる自信のある優秀な社員ほど先に辞め、整理すべき人員が逆に残ってしまうという「逆選択」の問題がある。

上記に対する十市氏の回答

希望退職者を募集する際の方法に関わる点であるが、優秀な社員については希望退職の対象とはせず、またそのような方法も判例上許容されているので、実際問題としては、「逆選択」の問題は先鋭化していないと思われる。

ラウンドテーブルディスカッション

プレゼンテーション「法制度と市場環境の補完性」

中原 裕彦(経済産業政策局知的財産政策室室長)

ディスカッションの前に、中原氏により、企業法の歴史的展開の説明と制度補完性を図る上での課題の提示がなされた。

1. 企業法の基本的考え方

昨今の企業組織関連法制の整備全体に流れる1つの基本的考え方として、グローバル化・IT化の流れの中では、企業が迅速かつ柔軟に組織変革を行うことを可能にすることにより、経営資源の有効活用をできるようにすることが競争力を維持する鍵であるとの認識がある。すなわち、株式交換、会社分割、民事再生法における再生計画前営業譲渡等における各規に見られるように、企業内の経営資源を法人格から解放(アンバンドル)して、タイムリーな合従連衡が図られることを目指そうとする考え方である。そのため、(1)組織形態や資金調達手法の選択肢をシームレスに整備する、(2)組織(entity)の裁定が適切に行われる環境を整備する、(3)組織内の経営資源が有効活用されるようガバナンスを強化する、という3つの方向での法制度の整備が目指されているといえる。

2. 労働市場の改革も視野に

90年代後半以降の金融市場改革および企業組織関連制度の改革によって企業内の経営資源がアンバンドル化していく中で、労働市場がそれに十分対応し切れていない印象がある。たとえば企業の敵対的買収に対する防衛反応の裏には、外部労働市場の未発達が指摘される。企業特殊的技能のあり方も含めて、金融市場、労働市場、会社システムが上手く相互補完できるような法整備が考えられないか。

その後、RIETIの鶴上席研究員より、本セミナー全体の論調がまとめられた。

本日の主な論点
1)純粋株主が日本に占める位置
2)労働市場改革の必要性
3)制度の本来目的と透明性の必要性

現在の「企業法」を考える上での問題点を、宍戸氏の「対純粋株主同盟」という言葉が非常に的確に表している。経営者と持ち合い株主、経営者と従業員の2つの連携を指すが、特に経営者と従業員との間である種の結託が残る背景には、労働市場改革の遅れがある。

日本の企業法は80年代までは上手く機能してきたが、昨今の環境変化によってさまざまな問題が出始めている。しかし、それがなぜ問題となるのか。市場の透明性と公正性を確保するのは重要だが、制度本来の目的を明確にするためにも、世論や政治的思惑にとらわれずに問題の本質を足元から見つめなおす必要がある。

ディスカッション

ディスカッションでは、宍戸氏をセッションチェアとして、(1)企業法の目的、(2)労働法制との兼ね合い――の2点を大きなテーマに、研究会メンバーによる活発な議論が行われた。

<企業法は何を目指すべきか>

  1. 企業の役割とは
    • 純投資株主の期待に応える方向に経営を持っていくことが最も効率的であり、国全体を豊かにする鍵であるが、昨今は「従業員の生活を守るのが企業の役目ではないか」といった論調が強まっているとの指摘があった。続いて、別の参加者からも、昨今の解雇に関して経営者の責任が国会やマスコミで問われているが、企業法と社会的セーフティネットの議論が混同しているのではとの見解が述べられた。
    • 「米国ではむしろ解雇しないと責任が問われる」という話があったが、GM等を見ても必ずしもそうとはいえない。極端な米国のイメージに対する恐怖感から企業の責任やセーフティネットが論じられているのではないか。
    • 「100年に1度の危機」といわれる中、政府は無論のこと、企業をとりまく社会全体のセーフティネットやCSR、さらには消費者、マスコミ、地域社会、派遣労働者、求職者といった広い意味でのステークホルダーを含めた議論はもはや避けて通れない風潮になっている。(宍戸)
    • 社会的セーフティネットを企業内に取り込むのが伝統的な日本の社会システムの特徴だったが、その役割を企業が引き続き担うべきか、あるいは政府か地域社会が新たに担うべきか、という分水嶺にいま差し掛かっている。(柳川)
  2. 法制度のあり方
    • 法制度のあり方について、複数の目的が見えない形で絡まっていることが問題のもとになっている。解雇権濫用法理が典型例であるが、本来目的以外に、社会的コストの引き受けや社会的正義の実現といった別の目的が付与された法制度がある。その点を明確にしないまま、1つの法律で複数の目的を回している状態であるが、どういう目的のためにどういう法律が必要かという整理がないと政策的判断を誤るおそれがある。(柳川)
    • 目的を明確にするためには「一法律、一目的」――つまり、1つの法律は1つの特定の目的に対応するのが理想形の1つである。プレーヤー側に疑心暗鬼や負のインセンティブをもたらさないためにも、少なくとも立法の際には立法者が立法目的を明らかにすべきである。(宍戸、柳川)
  3. 企業法と競争力の維持
    • 企業法はそもそも何を目指すべきか――という問いかけに対し、大崎氏から、日本企業の競争力向上を目的とした場合、結局のところ純粋投資家から見た期待リターン以外に適切な指標は無いのではないかとの見解が述べられた。
    • 社会的セーフティネットはさておき、実は被雇用者が自由に転職できることが一番重要ではないか。その結果、従業員の自己投資インセンティブが高まれば企業価値も向上する。企業法の中でもそうした人的な観点からの競争力向上を強調すべきである。(山川)
    • 株主にしても、債権者にしても、各プレーヤーに対する最低限の出口保障が動機付け交渉において重要となる。そこに法制度の役割が求められるのでは。(宍戸)
    • 短期収益志向の欧米型企業と違い、日本企業はより長いスパンでのイノベーションや技術の蓄積を競争力の源泉としている。にもかかわらず、買収防衛策や雇用の流動性に関する企業法の議論の中で、そうした観点がいまひとつ欠けている印象がある。

<各論>

  1. 純粋株主の意義
    • 民主主義と市場重視の考え方が一致していた小泉政権時代と違い、民主主義と経済との乖離が拡大していて、その橋渡しに多大な政治的コストと労力、時間を要する時代になっている。金融市場の失敗を是正する道が無ければ、企業も行動原理を見失ってしまうが、労働市場についても同様のことがいえる。
    • はたしてリーマン・ブラザーズは純粋株主であったか。ファンドのモラルハザードまで問われる中で、一体誰が純粋な株主であるといえるのか。
    • 純投資株主の反対が取引先株主であるが、その最たるのがストックオプションを持つ経営者ではないか。経営者は企業に対し自分の経営能力を取り引きする立場にある。
    • ストックオプションに対する米研究者の評価は決して高くなく、経営者が行使条件を有利に決められることはインセンティブの歪みをもたらすとされている。(加藤)
    • 米国のストックオプションは必ずしも健全に機能していないが、1つの対策として、退職後にのみ売却可能なオプション(リストリクティッド・ストック)にする方法がある。そうして、より長期的な株価成長を目指した経営姿勢に誘導することはできる。(大崎)
    • 四半期単位での増収増益ばかりを目標にする経営姿勢は決して健全でなく、できるだけ長期を見渡す方向に誘導することも法制度の役割であると考える。その上で最も重視すべき発言者は、やはり純投資株主であると思われる。特に長期を見通す純投資株主が鍵を握るが、そうした方向に経営目的を絞った方が、「従業員も大事に、社会も大事に」というより結局は良い方向に落ち着くと思われる。(大崎)
  2. 利害調整による価値の最大化
    • 現行の会社法・企業法、あるいは株式会社の考え方は、株主利益の最大化に還元する形で当事者間の利害の一致を目指すものであるが、株主利益の最大化がすなわち全体利益の最大化であるとは必ずしもいえず、むしろ株主利益の最大化ができるだけ全体のパイの最大化につながるよう制度設計を考えるべきである。(柳川)
  3. 企業法と労働法制の関係
    • 日本の置かれる状況が厳しくなる中で、雇用や金融市場に関する対策が打ち出されているが、そうした緊急対策の話とここで議論している法制度のあり方に関する話とは本来区別すべきである。仮に緊急対策がすべて法制化されてしまうと、政策的にかなり間違った方向に行ってしまう可能性がある。(柳川)
    • 企業組織や金融市場にかかわる法制度論には、あまり人間の感情が入らない。労働法制はその点がやや異なると思われる。企業法の究極的な目標は人間社会が豊かになることであるが、労働法制は「一個人」を一方の当事者としている。
    • 労働市場の流動化は効率上非常に重要であるが、制度論を考えるときに、効率性のみを前面に出せる分野とそうでない分野があると思われる。たとえば、人事・労働の分野で効率性をあまりにも強調し過ぎると、弱肉強食のイメージが強くなり、必ず反発する人が出てくる。
  4. わかりにくさが負のインセンティブに
    • 今のような不景気下での人員調整型解雇と、好景気下での問題社員の解雇とは区別して考えるべきだが、それを一律にしていることが解雇権濫用法理のわかりにくさの根元にあるのではないか。
    • 疑心暗鬼に伴う非効率性が1つの大きな問題となっている。少なくとも人的資本の方が他のプレーヤーと同調して働かないと、日本企業の価値は上がらない。
    • 株主の保護は以前からいわれているが、株主にも品格が必要。株主の行動に関する説明責任や透明性が日本にはまだ欠けていて、大量保有報告と公開買付を通じてしかモニターされないようになっている。
    • 業種や時代、環境といった係数を考慮した、できれば公法ではない柔らかい制度設計が好ましい。金商法に代表されるような、刑事罰を伴う公的規制はどうしても硬直化を招く。公法と私法の役割分担、特に公法を使う場合はその意義を慎重に考えなければならない。
    • 当事者の不安をできるだけ減らすのが法制度の第一義的役割と考える。企業活動は4当事者間の共同プロジェクトであるため、一方の不安が過度に高くなることは、効率性の観点からも好ましくない。(宍戸)
  5. 企業を超えた政府の役割
    • 労働者ないし労働者保護に対する企業のコミットメントを緩和できないか――という全体の論調に対して、参加していた研究会メンバーの1人は、会社法・企業法など個別の法制度でパッチワーク的に救済するのではなく全体的な社会保障制度でもって包括的に救済するのが効率的に望ましいことは認めつつも、現実の社会保障制度の整備状況に対する懸念を示した。
    • それに関連して、別の参加者からも、次のような意見が述べられた。約1400兆円の資産を保有する高齢者の消費意欲を高めることが雇用維持の鍵となるが、そのためには社会保障の充実が重要であると指摘した。社会不安のコストともいえるが、将来への不安や格差拡大が内需不足、引いてはマクロの経済停滞を招くとの指摘がある。それは政治家の責任であり、そのことを研究者として強く訴えなければならない。
    • 従来の法制度は従業員の殆どが正社員であることを想定しているが、現実には正規雇用と非正規雇用との二極化が進んでいて、宍戸氏のいう「対純粋株主同盟」のような「非正社員‐対‐経営者・正社員」という意図せざる対立が生まれている。それが問題の本質と思われるが、その解消法として、解雇規制ないし雇用保護によって守る方法と、雇用保険等のセーフティネットで守る方法の2つの考え方がある。

<まとめ>

  • まとめとして、柳川氏は、これまでは金融メカニズムを中心に企業法を検討してきたが、昨今の雇用問題もあり、これからは雇用法制をはじめとした雇用のセーフティネットとのカップリングで企業法を整備していくことが課題となると述べた。
  • 経済運営と企業経営における効率性の追求は避けて通れない道である――大崎氏は、研究者としてそのことを強調し続ける重要性を再確認して議論を締めくくり、以下のように述べた。「国が成長しなければ国民全員が貧乏になる」――いま、この国では当たり前の運命的事実が共有されていない。経済成長以外に皆にとって都合のよい、別の解決策があるかのような幻想は絶対に認めてはならない。それが我々研究者の重要な役目である。



2009年4月17日金曜日

いやはや。。「受動喫煙に700万支払い」

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◆受動喫煙に700万支払い/会社と社員が和解

  職場での受動喫煙で化学物質過敏性になったとして、北海道滝川市の建設資材
  製造会社に勤める男性(35)が、会社に慰謝料など約2,300万円を求めた訴訟で、
  会社側が和解金700万円を支払うことで、札幌地裁滝川支部で1日までに和解した。

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受動喫煙に700万支払い/会社と社員が和解

職場での受動喫煙で化学物質過敏性になったとして、北海道滝川市の建設資材製造会社に勤める男性(35)が、会社に慰謝料など約2,300万円を求めた訴訟で、会社側が和解金700万円を支払うことで、札幌地裁滝川支部(守山修生裁判官)で1日までに和解した。

男性側の代理人によると、受動喫煙被害をめぐる訴訟で会社が支払う額としては、全国的にも過去最高額という。

訴えなどによると、男性は2007年1月に入社。事務所では従業員が自席で喫煙しており、男性は吐き気や頭痛に悩まされ分煙対策を求めたが会社は応じず、同年11月に男性を解雇した。

男性が08年1月に解雇無効を求め提訴。会社側は分煙措置を取って解雇を撤回したが、男性は化学物質過敏性になったとして慰謝料などを求めていた。

男性側の塚原成佳弁護士は「いまだ分煙を実施しない経営者に、それでは駄目だと理解してもらう意味で大きな意義がある」と話している。

会社側代理人の丸山健弁護士は「和解条項で内容は非公表になっており、コメントできない」としている。

2009年4月12日日曜日

「深夜労働を告発する」シンポジウムのご紹介

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◆深夜労働を告発するシンポジウム/全労連

  全労連は4月25日に都内で「深夜労働を告発するシンポジウム」を開催する。
  深夜労働・長時間過密労働が身体に与える影響について、社会生活、家庭生活、
  環境問題など多面的視点から検証。また、深夜労働を必要とする業務と利便性と
  の区分の問題、法的規制など「24時間型社会」の労働についてのガイドラインや
  政策について検討する。

http://www.zenroren.gr.jp/jp/schedule/2009/schedule0323.html
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いのち・健康・安全を蝕む

深夜労働を告発するシンポジウム

経済のグローバル化の中、全産業に深夜労働・長時間過密労働が広がっています。シンポジウムでは、各分野での労働実態はどうなっているか、労働者の身体に与える影響はどうかなどを明らかにし、社会生活、家庭生活、環境問題など多面的な視点から問題を検証していきます。深夜労働を必要とする業務とサービス・利便性との区分の問題、法的規制など、24時間型社会の労働についてのガイドライン・政策提起作りの出発点としたいと思います。ぜひご参集ください。
*日 時4月25日(土)13時~17時
*場 所東京トラック事業健保会館大会議室【地図】
千代田区四番町5-7 Tel:03-3264-2361
交通機関
(1)JR総武線 「市ヶ谷駅」下車,徒歩5分
(2)東京メトロ有楽町線・南北線,都営地下鉄新宿線「市ヶ谷駅」下車,徒歩3分
(3)東京メトロ有楽町線「麹町駅」下車,徒歩5分
*記念講演永山利和 日本大学教授
*シンポジウムシンポジスト
 ・川村雅則 北海学園大学准教授(予定)
 ・広瀬俊雄 仙台錦町診療所・産業医学センター所長
 ・平井哲史 弁護士
 ・日本医労連
*単産・地方組織、参加者からの実態報告、討論
*主 催全労連 文京区湯島2-4-4 全労連会館4階
Tel:03-5842-5611 Fax:03-5842-5620

2009年3月17日火曜日

「競争法の国際的適用に関する諸問題(管轄権、執行協力等)」のご紹介

2009/03/21
特別セミナー「競争法の国際的適用に関する諸問題(管轄権、執行協力等)」
【時間】15:30~17:30
【場所】早稲田大学西早稲田キャンパス8号館3階会議室
【講師】
松下満雄(東京大学名誉教授)

【テーマ】
「競争法の国際的適用に関する諸問題(管轄権、執行協力等)」


【対象】お申込みはこちら>>> 

2009年3月15日日曜日

国際知的財産セミナー「中国新特許法の注目点と留意点」のご案内

3月18日に開催される国際知的財産セミナーは、中国から最高立法機関の専門
家や大学教授らを3名招聘して、中国新特許法の成立が中国知的財産権法の全
体像や実務にどのような影響を与えるのか、そのポイントを解説していただく
大変有意義なセミナーとなっております。是非ご参加下さい。
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3月18日 国際知的財産セミナー「中国新特許法の注目点と留意点」
□ セミナー詳細
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国際知的財産セミナー 中国新特許法の注目点と留意点
【日時】2009年3月18日  17:30〜19:30
【場所】早稲田大学小野梓記念講堂(27号館)
【内容】
 中国のWTO加盟後8年ぶりの大改正を経た新特許法が本年10月1日に施行される。
 中国新特許法は,発明創造の活用,行政及び司法による保護の強化,国際条
約及び国際慣行との協調の立場から,絶対的新規性基準や公知技術の抗弁の導
入,並行輸入を非侵害行為する規定やボラー条項などといった新たな制度が多
岐にわたり盛り込まれており,中国の特許制度を刷新するものであって,特許
実務へ与える影響は計り知れない。
 本セミナーでは,経済的な結び付きはますます深まる日本として知っておく
べき、中国新特許の注目点と留意点に焦点を合わせ,中国から最高立法機関の
専門家や大学教授らを3名招聘して,中国新特許法の成立が中国知的財産権法
の全体像や実務にどのような影響を与えるのか,そのポイントを解説していた
だく。

【司会】
高林龍(早稲田大学大学院法務研究科教授・知的財産権法制研究センター長)

【挨拶】
1.堀越佳治(早稲田大学理工学術院教授 / 常任理事)
2.上村達男(早稲田大学法学学術院長 / GCOE≪企業法制と法創造≫総合研究
所拠点リーダー)

【報告者】
3.「新特許法策定過程における議論の焦点」袁 杰(中国全人代常務委員会
法制工作委員会経済法室副室長)
4.「新特許法におけるエンフォースメントと権利濫用の制限」郭 禾(中国
人民大学教授・中国法制情報センターセンター長)
5.「新特許法と国際条約の適用」劉暁純(天津大学法学学科学科長・中国大
学知的財産法研究会常務理事)

【コメンテーター】
6.「新特許法に残された問題点」兪風雷(早稲田大学グローバルCOE研究
員)

7.パネルディスカッション

(同時通訳有(日本語・中国語))

【懇親会】
時間:20:00〜
場所:キャトル・フォンテーヌ
会費:4200円

【主催】
早稲田大学国際産学連携本部

【共催】
グローバルCOE《企業法制と法創造》総合研究所・早稲田大学知的財産法制研究
センター(RCLIP)

お申込みはこちら>>
https://www.21coe-win-cls.org/gcoe/info/reservation.php?sid=10551

2009年3月2日月曜日

スイスの自由移動協定とEU内部の移民規制

やっぱり移民って難しいんだなと。
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◆ルーマニア・ブルガリアからの移民規制見直し
  EUへの新規加盟から2年を経て、ルーマニアとブルガリアに対する人の移動の
  制限の見直しが行われ、新たにスペインやポルトガルなど4カ国がこの1月から
  受け入れ規制の廃止に踏み切った。既に両国に門戸を開放しているのは、
  フィンランドやスウェーデンなど10カ国。一方、旧加盟国を中心とする他の国々は、
  最近の景気後退に伴う雇用状況の悪化などから、受け入れ規制の維持を決めている。
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安全性の面から言ってもリスクにしか感じられないってことなんでしょうね。
それはそうかも、と思うので。
でも、労働力として有用なのであれば、緩やかにしたほうがよい、と思うのは
あくまで個人的な感想なのかな?平和ボケしているせい??
それにしてもスイスがEUとの自動移動協定を承認したのは驚きです。
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◆EUとの自由移動協定承認/スイスで国民投票
  スイスで8日、欧州連合(EU)諸国との間で結んでいる人の自由な移動を
  保障する協定の延長や、EUの新規加盟国ルーマニア、ブルガリアへの適用
  拡大の是非を問う国民投票が実施され、59.6%の賛成多数で承認された。
  事前の世論調査では賛成がやや優勢だったものの、世界的な金融・経済危機を
  背景に東欧地域からの移民労働者増大に対する懸念が高まり、反対が上回ると
  の見方も出ていた。(ジュネーブ共同)
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/kaigai/20090210c.htm
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なにせ、脱税の温床だからね、スイス。
ドイツやフランスから脱税した経営者が資金を運んでスイスの匿名口座に入金する、
ってのはジュネーブでは日常の光景だそうな。
そのせいで、ジュネーブはスリが横行しているらしい。
なにせ、そもそも後ろ暗いお金なんだから、盗られても訴え出れない、
というところにかこつけているのだそう。ほんとうに現金を運ぶからねぇ。
それ以外は足がつく(笑)
さらに悪いことに、後ろ暗いお金だから、「いかにも」という自分では運ばないで、
リスクを感じない若者なんかにちょっと頼むというカモフラージュをするとのこと。
すると敵も然るもので、いい身なりの人でなくても金を持っていることを、
いつの間にか、しかし当然のように学習し、結果として、
ボストンバックを見たらのべつまくなしに収奪する、というスリ文化ができているそうな。。
なんか、マッターホルンとかハイヂのせいで、スイスは長閑な印象があるのだけれど、
中立性を保てるだけの強大な軍事力と、マネーロンダリングの本場の金融機関がある
ので、かなりイメージは長閑とはかけ離れているのだわね。。
という風潮が再強化されそうだなと懸念されるニュースでした。。

2009年1月24日土曜日

緊急シンポジウムのご案内:アメリカ発金融危機の総点検−日本からのメッセージ

『緊急シンポジウム:アメリカ発金融危機の総点検−日本からのメッセージ』
ご案内

拝啓 皆様にはますますご繁栄の事とお喜び申し上げます。

さて、すでにご案内をしておりますが、本グローバルCOE研究所では、来る1月
31日(土)に、本学早稲田キャンパス井深大記念ホールにおきまして、『緊急
シンポジウム アメリカ発金融危機の総点検−日本からのメッセージ』と題し、
シンポジウムを開催いたします。本研究拠点は今年度よりグローバルCOEとし
て活動を開始しておりますが、21世紀COEとしての5年間の活動に対しましては、
最高評価を頂くことができました(公表済)。社会科学分野、しかも法律の分
野の拠点は多くなく、それら卓越したプログラムの中で、こうした大きな評価
を頂くことができたということは、この上ない光栄であり、皆様のご支援の賜
物でもございます。この評価の中でも示されました、本拠点に対する「独立し
たシンクタンクとしての役割」は、われわれ拠点の重要な使命であり、その大
きな期待に応えるべく、本年度は、この緊急シンポジウムを、近時の緊喫の課
題への問題提起として行い、今後もその機能をさらに進化させていく所存でご
ざいます。

講演者として日本を代表する各界の最高権威が集い、金融危機を多角的な視点
から鋭く分析、日本からの世界へ向けてのメッセージを提起します。中でも原
丈人氏は著書「21世紀の国富論」も話題となって、朝日新聞2008年12月20日付
でも「フロントランナー」として大きく取り上げられている方です。また、グ
ローバルCOEにふさわしく、この問題に対する日本からのメッセージとして、
本シンポジウムの内容を後日英訳し、海外発信も行う予定です。


<講演者>
原丈人(デフタ・パートナーズグループ会長−アメリカを知り尽くした経営者から)
上村達男(GCOE拠点リーダー・早稲田大学法学部長−比較法の観点から)
原田靖博(R&I会長−格付け機関から)
大森泰人(金融庁−監督当局から)
梁瀬拾治(長島大野常松法律事務所−国際弁護士から)
菅野雅明(JPモルガン証券チーフエコノミスト−金融最前線から)

(順不同・講演順(予定)は下記プログラムをご参照ください)


お申し込みはこちら
https://www.21coe-win-cls.org/gcoe/info/reservation.php?sid=10540


□ シンポジウム詳細
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<緊急シンポジウム>
「アメリカ発金融危機の総点検−日本からのメッセージ」

日時:1月31日(土)13時〜18時
場所:早稲田大学 早稲田キャンパス18号館 井深大記念ホール
http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html
※参加無料ですが、事前の登録が必要です。

【レセプション】
時間:18:45〜
会場:リーガロイヤルホテル東京
会費:3000円
シンポジウムと一緒にお申し込みください。

【プログラム(予定)】
13:00〜 挨拶:上村達男

13:05〜 菅野雅明(JPモルガン証券チーフエコノミスト−金融最前線から)
     「『100年に1度の危機』の展望と政策対応」

13:45〜 原田靖博(R&I会長−格付け機関から)
     (演題未定)

14:25〜 簗瀬捨治(長島大野常松法律事務所−国際弁護士から)
     (演題未定)

     コーヒーブレーク(15分)

15:20〜 原丈人(デフタ・パートナーズグループ会長−アメリカを知り尽くした経営者
から)
     「公益資本主義と新基幹産業再生」

16:10〜 大森泰人(金融庁−金融当局から)
     「市場型金融システムの再構築」

16:50〜 上村達男(GCOE拠点リーダー・早稲田大学法学部長−比較法の観点から)
     「法的問題としての金融危機」

17:20〜 パネルディスカッション

お申し込みはこちら
https://www.21coe-win-cls.org/gcoe/info/reservation.php?sid=10540

お席に限りがございますので、お早目のお申し込みをお願いいたします。
多くの皆様のご参加をお待ちしています。

2009年1月15日木曜日

[シンポジウムのお知らせ]「貧困の拡大とセーフティネットの役割−雇用と社会保障の交錯」

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シンポジウム
「貧困の拡大とセーフティネットの役割−雇用と社会保障の交錯」

【日時】2009年1月17日 13:00〜17:30
【場所】早稲田大学早稲田キャンパス8号館3階303−305会議室
【報告者】
橘木俊詔 氏(同志社大学教授)
「現代の貧困とセーフティネットの役割」

岩田正美 氏(日本女子大学教授)
「貧困理論の展開と現代における貧困の実相」

【コメンテーター】
駒村康平 氏(慶應義塾大学教授)「経済学の立場から」
齋藤純一 氏(早稲田大学教授)「政治理論の立場から」
中窪裕也 氏(一橋大学教授)「労働法学の立場から」

【司会】
菊池馨実(早稲田大学教授。社会保障法)
石田眞(早稲田大学教授。労働法)


シンポジウムプログラム(予定)

13:00 開会挨拶・趣旨説明(菊池馨実)
13:10〜13:50 第一報告(橘木俊詔 氏)
13:50〜14:30 第二報告(岩田正美 氏)
休憩
14:45〜15:30 コメント(駒村康平 氏、齋藤純一 氏、中窪裕也 氏)
15:30〜17:30 討論

【シンポジウムの趣旨のご案内】
グローバルCOE労働法・社会法グループにおいては、研究の柱の一つとして、
近年深刻な社会問題に繋がりつつある「貧困・格差社会」に関する問題と、
これに対する社会法(労働法・社会保障法)のあり方について取り組んでい
く予定です。
今回開催するシンポジウムは、こうした課題に取り組むに当たり、「貧困・
格差社会」問題について従来より取り組んできた経済学および社会福祉学の
立場から、現状における問題点を抽出していただき、これをもとに、法学に
限らず経済学・政治理論を含めた多様な分野からの議論を重ね合わせること
によって、「貧困・格差社会」問題に対して法学(社会法)が取り組むべき
課題を浮き彫りにすることを目的としています。
講演者の橘木教授、岩田教授は、わが国における「貧困」問題、「格差社会」
問題研究における第一人者であり、その業績は学界においてのみならず、橘
木教授の『格差社会−何が問題なのか』(岩波新書)、岩田教授の『現代の
貧困−ワーキングプア/ホームレス/生活保護』(ちくま新書)をはじめと
する一連の著作を通じて、一般にも広く知られているところです。
また、コメンテーターの駒村教授、齋藤教授、中窪教授は、それぞれ社会保
障論、福祉国家論、セーフティーネット論に関する第一人者であり、それぞ
れの立場からの活発な議論が為されることが期待されます。
このように「貧困・格差社会」問題に関する各分野の第一人者が一堂に会し
て議論を形成する貴重な機会であり、社会法に関心のある方だけでなく、
「貧困・格差社会」問題に関心のある方の幅広いご参加をお待ちしておりま
す。

【対象】事前手続はとくに必要ございません。直接会場へお越しください。

2009年1月14日水曜日

持株会社・親会社の使用者性

これはまた、妥当な。。
しかし、こんな言いがかりみたいな裁判で、組合が魅力的に映るのだろうか?
組織とはどんなものであれ、魅力的でなければ構成員を維持できない。
このような対立を望むものなのだろうか?
なんだか言いがかりのような事項で会社と対立することが正しいというのは
なんだかさびしい価値観を感じる。
しかも、業績が悪い自社から何かを引き出せないからといって、
お金が少しでもありそうな親会社にチャレンジするというのも言いがかりに近く、
なんというか、わびしいし悲しい感じがする。
組合運動という位置づけも岐路に立っているのかなという印象ですわね。
「ソフト・パワー」による組織求心力を持たない組織はいずれ消えていく命運。
とくに組合は本来指揮命令権のない組織なのだから、なにをすると魅力的に見えるか、
「ソフト・パワー」の観点で考えなければならない、と思うのですわね。
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◆持株会社、親会社の使用者性を否定/高見澤電機製作所事件で中労委
  高見澤電機製作所とその親会社、持株会社が団体交渉で
  ・不誠実な対応をとったり、団体交渉を拒否したりしたこと
  ・組合員と転籍した労働者の労働条件に格差を生じさせたこと
  などが不当労働行為だとして救済の申し立てがあった事件で、
  中央労働委員会は12月19日に初審命令の一部を変更する内容の命令書を
  交付した。
  持株会社と親会社の使用者性を否定し、
  申立ての全般について不当労働行為に当たらないとの判断を示している。
  http://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/futou/shiryo-01-308.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

平成20年12月19日

中央労働委員会事務局

第二部会担当審査総括室

室長榎本  重雄

Tel03-5403-2176

Fax03-5403-2250

高見澤電機製作所外1社(事業再建)外2件不当労働行為再審査事件
(中労委平成17年(不再)第23号外)命令書交付について

命令のポイント

1  雇用主会社の持株会社及びその親会社の使用者性を否定

直接の雇用主である高見澤の持株会社(FCL)やその親会社(富士通)は、その実態 からみて、高見澤の従業員との関係において、高見澤と同視し得る程度に現実的かつ具体 的な支配力を有しているということはできず、労組法第7条の使用者には当たらないとし て、初審命令を変更

2  高見澤の各行為の不当労働行為性を否定

(1)  高見澤が実施した本件組織変更等(デバイス技術部の移転、事業再建策及びこれに伴 う一連の人事異動等)及び支部組合員とFCLに転籍した労働者との間に労働条件格差 を生じさせたことは、いずれも労組法第7条第1号の不利益取扱い及び第3号の支配介 入には該当しない。

(2)  本件組織変更等、11年度賃上げ、持株会社設立及び経営計画・事業計画等に関する 組合との団体交渉における高見澤の態度は不誠実であったとは認められず、いずれも労 組法第7条第2号には該当しない。

中央労働委員会第二部会(部会長菅野和夫)は、平成20年12月19日、標記事件に係る命令書を関係当事者に交付したので、お知らせします。命令の概要は、次のとおりです。

I  当事者

1  会社側

[1]富士通株式会社(「富士通」):FCL及び高見澤の親会社、コンピュータ関連機器等の開発・販売等

[2]富士通コンポーネント株式会社(「FCL」):高見澤等の事業持株会社、13年9月設立

[3]株式会社高見澤電機製作所(「高見澤」):リレー部品の製造等

2  組合側

[1]全日本金属情報機器労働組合(「JMIU」):金属関連産業等の労働者により組織

[2]同長野地方本部(「地本」):JMIUに加盟する長野県内の労働者で組織

[3]同高見沢電機支部(「支部」):高見澤信州工場の従業員で組織

(JMIU、地本、支部を併せて「組合」)

II  事案の概要

1  A事件

(1)高見澤及び富士通が、(i)信州工場にあったデバイス技術部を移転したこと、(ii)信州工場の業務の一部をZ通信に営業譲渡したこと、(iii)Z通信への転社者、希望退職者の募集等による高見澤の事業再建策の実施に伴い、支部組合員に対して人事異動を行ったこと(以下、上記(1)(i)デバイス技術部の移転、(ii)信州工場の業務の一部の営業譲渡、(iii)転社者及び希望退職者の募集等の事業再建策並びにこれに伴う一連の人事異動等を「本件組織変更等」)、(2)高見澤が、(i)信州工場内に仕切り壁を設置し、支部機関紙の配布を妨害したこと、(ii)デバイス技術部の移転、事業再建策、11年度賃上げを交渉事項とした団体交渉(以下「団交」)において、不誠実な対応をしたこと、(iii)転社者及び希望退職者の募集に際し、組合員の切り崩しを図ったこと、(3)富士通が、高見澤の事業再建策等を交渉事項とした団交を拒否したことが不当労働行為に当たるとして、救済申立てがあった事件である。

2  B事件

(1)高見澤が、グループ会社全体を統括する管理・営業・技術開発部門の持株会社への営業譲渡(「本件持株会社設立等」)が高見澤と信州工場の事業の将来構想及び同社と同工場の労働者の雇用・労働条件に与える影響並びにその悪影響の回避措置・救済措置についての団交において、不誠実な対応をしたこと、(2)富士通が、本件持株会社設立等を交渉事項とした団交を拒否したことが不当労働行為に当たるとして、救済申立てがあった事件である。

3  C事件

(1)高見澤が、信州工場の存続・発展のための今後の経営計画・事業計画及び当該計画のもとでの信州工場の労働者の雇用の確保と労働条件の維持・向上のための方策を交渉事項とした団交において、不誠実な対応をしたこと、(2)富士通及びFCLが、上記のことを交渉事項とした団交を拒否したこと、(3)高見澤、富士通及びFCLが、支部組合員の賃上げ、一時金等の労働条件を、FCLに転籍した労働者より下回らないようにしなかったことが不当労働行為に当たるとして、救済申立てがあった事件である。

III  初審命令及び再審査申立ての要旨

初審長野県労委は、上記各事件について下記1ないし3のとおり決定して命令書を交付したところ、富士通、FCL、高見澤及び組合は、各事件についての初審命令を不服としてそれぞれ再審査を申し立てた。当委員会は、これら各再審査申立てを併合して審査した。

1  A事件

(1)(i)高見澤が、事業再建策の実施までの団交及び化工課に所属する組合員の異動を交渉事項とする団交に誠実に応じなかったこと、(ii)富士通が、高見澤の事業再建策を交渉事項とする団交を拒否したこと、(2)高見澤が、組合との合意なく信州工場従業員のZ通信への転社者及び希望退職者の募集を行ったことが不当労働行為であるとして、高見澤及び富士通に対して、誠実団交応諾及び文書手交を命じ、その余の救済申立てを棄却した。

2  B事件

いずれの救済申立ても不当労働行為には当たらないとして、救済申立てを棄却した。

3  C事件

(1)高見澤が、信州工場の存続・発展のための今後の経営計画・事業計画及び当該計画のもとでの信州工場の労働者の雇用の確保と労働条件の維持・向上のための方策を交渉事項とする団交に誠実に応じなかったこと、(2)FCLが、上記のことを交渉事項とする団交を拒否したことが不当労働行為であるとして、高見澤及びFCLに対して、上記のことを交渉事項とする誠実団交応諾及び文書手交を命じ、その余の救済申立てを棄却した。

IV  命令の概要

1  主文要旨

[1]  A事件及びC事件に係る初審命令主文の救済部分を取り消し、これらの事項に係る救済申立てを棄却

[2]  組合の本件各再審査申立てを棄却

2  判断の要旨

[1]  富士通及びFCLの使用者性について

富士通及びFCLは、資本関係、役員の状況及び営業取引関係において、親会社として高見澤の経営に対し一定の支配力を有していたとみることはできるが、それは親会社がグループの経営戦略的観点から子会社に対して行う管理・監督の域を超えてのものとはいい難く、直接の雇用契約関係にない高見澤従業員の基本的な労働条件等に対して、直接の雇用主である高見澤と同視し得る程度に、現実的かつ具体的な支配力を有しているということはできず、高見澤の従業員との関係において、労組法第7条の使用者には当たらないと判断される。よって、富士通及びFCLは、本件各事件について不当労働行為責任を負う者とはいえない。

[2]  高見澤の各行為の不当労働行為性について

ア  A事件関係

(ア)  本件組織変更等による不利益取扱い及び支配介入について

a  デバイス技術部の移転に伴うI委員長の人事異動問題については、支部との同意が得られなかったことから引き続き信州工場勤務としたのであって、このような高見澤の取扱いは格別不合理なものとはいえず、I委員長を信州工場に留め置いたことは不利益取扱い及び支配介入には該当しない。

b  高見澤は、事業再建策の実施について、組合の理解と納得を目指して十分な協議を行ったものの、合意が得られなかったのであって、このような高見澤の取扱いは格別不合理なものとはいえず、高見澤が、事業再建策の提案を行ったこと並びにその提案に基づき信州工場従業員のZ通信への転社者及び希望退職者の募集を実施したことは支配介入には該当しない。

c  高見澤は、化工課に所属していたK執行委員を含む支部組合員の人事異動について、組合の理解と納得を目指して十分な説明と協議を行った上で実施したことが認められるから、当該人事異動について組合との間で合意にまでは至らなかったとしても、当該人事異動は支部組合員に対する不利益取扱い及び支配介入には該当しない。

d  高見澤による別組合及び職制を利用した支部組合員の切り崩しがあったとは認められない。

(イ)  組合活動妨害による支配介入について

高見澤による信州工場とZ通信との間の仕切り壁の設置は、支部組合員とZ通信に転社した従業員との分断を意図したものではなく、業務上の必要により行われたとみるのが相当であり、またZ通信の従業員入口を変更したことも支部の宣伝活動を妨害したとは認められず、支配介入には該当しない。

(ウ)  本件組織変更等に関する高見澤の団交における態度について

a  デバイス技術部移転に伴うI委員長の人事異動に関して2回行われた組合との団交における高見澤の態度が不誠実であったとは認められず、労組法7条2号に該当しない。

b  事業再建策の提案及び実施、化工課の支部組合員の人事異動、K執行委員の人事異動に関する組合との団交においては、結局、組合と高見澤の主張が平行線をたどったものであるが、その経緯に照らすと、高見澤の態度が不誠実であったとは認められず、労組法7条2号に該当しない。

c  11年度の賃上げについての団交は19回行われ、高見澤は経営状況について改めて説明するなどして、組合の理解を得るための努力を尽くしていたことが認められ、団交における高見澤の交渉態度が不誠実であったとの証拠も提出されておらず、労組法7条2号に該当しない。

イ  B事件関係(本件持株会社設立等に関する高見澤の団交における態度について)

本件持株会社設立等に伴う雇用・労働条件問題に関する組合との団交においては、結局、組合と高見澤の主張が平行線をたどったものであるが、その経緯に照らすと、高見澤の態度が不誠実であったとは認められず、労組法7条2号に該当しない。

ウ  C事件関係

(ア)  「信州工場の存続・発展のための今後の経営計画・事業計画」等に関する高見澤の団交における態度について 団交において高見澤が組合の要求事項に対して行った説明等が不誠実なものであったとはいえず、高見澤が交渉権限もなく単に形式的に団交を行っていたとは認められず、労組法7条2号に該当しない。

(イ)  支部組合員の労働条件とFCLに転籍した労働者の労働条件について 高見澤において賃上げ及び一時金の支給がなかったのは、高見澤の経営が極めて厳しい状態にあったためであると推認され、支部組合員の賃上げ、一時金等の労働条件がFCLに転籍した労働者の労働条件を下回っていたことは、支部組合員に対する不利益取扱い及び支配介入には該当しない。

〔参考〕本件審査の概要

1  A事件

初審救済申立日平成11年11月30日(長野県労委平成11年(不)第2号)

初審命令交付日平成17年3月31日

再審査申立日平成17年4月7日(富士通)、同月14日(高見澤、組合)

2  B事件

初審救済申立日平成13年6月13日(長野県労委平成13年(不)第3号)

初審命令交付日平成17年3月31日

再審査申立日平成17年4月14日(組合)

3  C事件

初審救済申立日平成14年1月10日(長野県労委平成14年(不)第1号)

初審命令交付日平成17年10月13日

再審査申立日平成17年10月25日(FCL)、同月26日(組合)、同月27日(高見澤)