2009年6月24日水曜日

【7/11】チャンス発見コンソーシアムセミナーのお知らせ

これまでに繰り返し申し上げてきましたように、
チャンス発見とは意思決定に重要な影響を及ぼす事象・
状況を発見することです。別の言い方をすれば、ある
できごとや事物に新しい価値を認め、その価値を先んじて
実現してゆくプロセスを作ることです。では、新しい
価値を見出すにはどうすればよいでしょうか?

ある道具を、これまでとは違う目的に用いる。あるいは、
二つの道具を組み合わせて新しい目的を達成する。この
ように、既存の概念や知識の新しい組み合わせから新たな
価値を生み出したケースは、先進的なIT技術にも
100円ショップの商品にも、また研究者のアイデア創造
においても見ることができます。これを、基礎知識の
書かれたカードの組み合わせによって新アイデアを生み、
そのの価値を競い合うゲームとしたのがイノベーション
ゲームです。

イノベーションゲームでは、起業家役のプレイヤーが
既存の知識を記載した基礎カードを組み合わせ、革新的
なビジネスアイデアを生みだします。そして、投資家役
や消費者役のプレイヤーたちが、優れたアイデアを生む
起業家の株券を購入してゆきます。これまでに、この
ゲームから生まれた新しいビジネスや研究テーマも
あります。

イノベーションゲームを実施するときは、ゲーム盤を
テーブルに敷きます。このゲーム盤はデータ結晶化キーグラフ
(DC-KeyGraph)という大澤研究室の独自技術によって
既存アイデアの関係を可視化した図になっています。
ゲーム盤の上に、自分の持っている基礎カードを置き
ながら考えることによって、独創性と実現性を備えた
アイデアを生むことができます。

イノベーションゲーム以外に、アナロジーゲームという
のがあります。これは、様々な単語をコンピュータの画面に
並べておき、それらを意味の近さによって並べ替えてゆく
ゲームです。途中で「このあたりの単語は全部同じカテゴリ
に入れられる」と思ったら、その単語たちを同じ色で
塗ります。こうして、5つ以内の色で全ての単語を分け
られたら終わりです。

アナロジーゲームでは、
単語を余らせないで全てに色塗りしなければいけませんので、
「どうしても単語が少しだけ余ってしまう!」と困って
しまうことがあります。それを克服し、単語たちを最初の
配置から大きく動かした人が高得点を得るようにできています。

アナロジーゲームもイノベーションゲームも、
「現実的な創造力」の育成と発揮のために役立てる
ことができます。別の言い方をすると、目の前の事物
に実現可能な新しい価値を見出す能力、つまり価値
センシング能力を鍛えて発揮するため、大澤研究室は、
どうしてもアナロジーゲームとイノベーションゲーム
を作らねばなりませんでした。様々なデータマイニング
やデータ可視化の技術がありますが、それらのツール
を用いてビジネスチャンス発見ができる方と、
できない方がいつもいます。その差をつける重要な
ファクターが、2つのゲームで研ぎ澄まされる価値
センシング能力でした。数多くの事例と膨大な研究の
成果が示す、世界でもこの日本にある
大澤研究室から発信してきた知見です。

今回は、これらのゲームと関連講演3件に加え、
生み出された新しいアイデアの価値を定量化するための
コミュニケーション場として、大澤研究室が開発した
「板」セッションという技法を試行して頂きます。
以下の日時・場所において、チャンス発見セミナーを
行います。

場所:東京大学本郷キャンパス工学部8号館3階
324号室(当日、正面玄関から案内矢印を表示します)
※参加多数の場合、部屋を変更します

最寄駅:東京メトロ南北線 「東大前」徒歩3分
次最寄駅:東京メトロ千代田線 「根津」徒歩8分
次々最寄駅:東京メトロ丸の内線 「本郷三丁目」徒歩10分


(1)7月11日(土)午前10時00分から正午:
1-1)講演:なぜ、「ゲーム」でなければならないか
大澤幸生
1-2) 講演:会話分析で見えたイノベーションゲームのポイント
西原陽子(大澤研究室)
1-3) 講演:創造的ワーカー達のアナロジーゲーム
中村潤(PwCコンサルタント・
金沢工業大学客員准教授・
大澤研究室学生など)
1-4) 体験:イノベーションゲームカード作成

(2)7月11日(土)午後1時から午後3時:
体験: 手作りのイノベーションゲーム
ディーラー:西原陽子(大澤研究室)

(3)7月11日(土)午後3時30分から午後5時30分:
※最大延長午後6時まで
体験: アイデアの価格を決める「板(いた)」セッション
ディーラー:佐藤貫二(大澤研究室学生)


*** 申込締切:7/3(金)***
件名(Subject)は「CDC July 2009」としてお送りください
宛先(to):大澤研究室秘書・足立 adachi@sys.t.u-tokyo.ac.jp
宛先(cc):大澤 ohsawa@sys.t.u-tokyo.ac.jp
・お名前:
・ご所属(ご記入任意):
・お電話番号(ご記入任意):
・お仕事の内容:
・チャンス発見コンソーシアム登録の有無: 有 無
・参加ご希望内容:できるだけA, Bを両方選んでください
A) チャンス発見学セミナー
(最近の成果についての講演会:約120分)
B) 体験型セミナー
(イノベーションゲームのカード創作、
ゲーム:午前から午後にかけて約6時間
※データ結晶化キーグラフ作成は、時間の都合で
「体験」ではなく「実演見学」とさせて頂きます。
***

また、内容のリクエストなどございましたら、どうぞ
大澤までメールでお知らせ下さい。可能な範囲の対応
となりますが、ご容赦下さい。
どうぞ宜しくお願い致します。

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