2009年5月2日土曜日

女性のサービスビジネス勤務の難しさ

これは一例でしかないのは確かだが、やはり、サービス業というのはまだまだ厳しい。
いくら医師とはいえ、サービス業従事者でしかなく、いくらなんでも、という数字である。
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◆女性医師の育児休業取得率、約4割にとどまる/日本医師会調査

  日本医師会はこのほど、「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書」を
  発表した。それによると、女性医師の産前・産後休暇の取得率は約8割で、
  育児休業の取得率は約4割。家事と仕事の両立に悩んでいる女性医師は
  64.1%に上るが、約4割が「解決するための就業環境、規則が整備されていない」
  と答えている。

http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20090408_2.pdf
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6割も取得できない育児休業って意味がない。
そもそも、ヒエラルキーの頂点にいる医師でさえ、この状態であれば、
それ以外の勤務者は推して知るべし、ということになる。
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◆女性看護師の約8割が「短時間勤務」を希望/民間企業調べ

  医療機関への情報提供サービスを手がけるケアレビューはこのほど、女性看護師
  の「短時間勤務に対する意識調査」結果を発表した。
  現在の勤務時間に不満を感じる理由は、
   「自己啓発の時間が確保できない」
   「長時間労働が続き体調が優れない」
   「家庭生活のための時間が十分確保できない」
  が上位を占めた。約8割が短時間勤務のニーズを感じており、子どもがいない
  看護師は「短時間勤務」より「少日数勤務」を希望する者が多い。

http://www.carereview.co.jp/2009/04/post-37.html
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20%しか満足して就業を継続できない仕事ってなんでしょう?
これを根本的に改善しない限り、この事業の就業は悪化する一方である。
医療費の削減というお題目の基に何かを間違えてしまっている、感じ。
きちんとお金を稼げる仕組みにしないと、やる気とやりがいに依存するモデルから
変換していくことが必要である。
医師はお金が稼げるという事実はあるが、医師以外では稼げないのでは、
根本からシステムがおかしい、ということになる。
なぜ所得の配分が行われないのか。そこを改善する必要がある。
挙句の果てにこれ。
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◆過労死危険レベルの看護職、全国に2万人と推計/日本看護協会調査

  日本看護協会は4月24日、「時間外勤務・夜勤・交代制勤務等緊急実態調査」の
  結果を公表した。全国の交代制勤務で働く看護職約2万人の時間外勤務が
  月60時間を超える「過労死危険レベル」にあると推計。過酷な勤務を改善するため
  の取り組みが必要と提起している。

http://www.nurse.or.jp/home/opinion/press/2009pdf/0424-1.pdf
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まったく持って、所得と労働のアンバランスの改善が求められる。
ここには、サービス業への所得分配が行われないことと同一の問題がある。
専門性が高く、既得権益の強い職業に富が偏在し、
サービス業は「代替容易」と思われがちなゆえに低賃金労働を強いられる。
製造業で、フォーディズムからトヨティズムといわれる権力の隠蔽が問題とされている
が、医師と看護士の間にも同じような不幸が感じられてしまう。
ただし、医師の多くもきっと同様のレベルであると想像され、だとするとそこには、
やはり、サービス業への正当な所得分配が課題となっているようにも感じられる。
必要なところに必要な資金が配分されるには、何がどうなればよいのかしらん?

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