2008年11月11日火曜日

現地社員の人材育成は?

日系企業の4分の3、「現地国籍社員をマネージャー・幹部に登用」
野村総合研究所は10月28日、「日本企業のグローバル経営管理の実態に関する調査」
の結果を発表した。海外拠点の現地国籍社員の採用・登用について 尋ねたところ、
「現地のマネージャーや経営幹部にまで登用している」と答えた企業が4分の3を
占めている。しかしながら、グローバルな経営幹部の人材育成制度が「ある」
と答えたのは1割未満だった。
http://www.nri.co.jp/news/2008/081028.html
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これが前向きで戦略的なグローバリゼーションの結果であるのなら好ましいが、「人材育成制度が無い」という企業が9割以上であるところを見ると、妥協の産物というか、やむをえない選択なんでしょうねぇ。現地のマネジメントは現地の人間にしかできない、という発想。
前にも書きましたが、グローバル人材育成、というお題目は結構だし、絶対に必要なんだけど、すでにこんなにグローバル化しちゃっているにもかかわらず、いまだに人材育成をはじめとする人事マネジメントの仕組みがないってのはなんとも、日本軍の「失敗の本質」に学ばない兵站の無さ加減かしらん、とこの国の組織というものの変わらない無責任さと、現場で何とかしちゃう日本人の器用さにあきれるやら感心するやら尊敬するやら、いやはや複雑な気持ちになります。
問題は組織の側にあるのではなく、そんな状況なのに現場で何とかやりこなしちゃう個々人のスキルの高さが、長期的には問題なのかもしれません(笑)これはある意味すごいことです。
ベトナム戦争のように、それが麻薬蔓延の原因にもならないストイックさ。
あきらかに組織ではなく個人が頑張っている。
ちなみに、「現地のことは現地にしかわからない、はず」というのは比較的、日本人の根底にある概念のように思え、どこの外資系の社員であっても、本社は日本のことをわからない、と思い込んでいる。
果たしてそんなにお馬鹿さんなのか?
いままではそれなりに価値が高く右肩上がりだったので価値を感じてもらえたけど、これからはそうはいかないんじゃないかなと思ったりする。
と考えたところで、ふと気づく。グローバル人材問題は、外資系の中ですら起きている。
これを企業がグローバル人材育成といって頑張っているが、そもそも外資系でもダメなんだとすると、果たして教育プロセスに問題があるんじゃあないかと思っちゃう。
そして組織がお馬鹿だという前段を思い出し、もっとも大きい国家という組織が一番阿呆なんじゃないかと気がついて、あぁなるほどこれは根が深い、と気がついたりする。
であるならば、やはり企業が効率的にグローバル人材育成を行うことが必要で、個人的には、それを実現するには外人を雇うことが必要だろうと思われるわけです。ま、これは前回の繰り返し。

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