2008年10月12日日曜日

人口減少の中で重要性を増す労働の質、、ってなんだ?

「人口減少の中で重要性を増す労働の質」を分析/第一生命経済研
第一生命経済研究所は6日、「経済成長の可能性と90年代停滞の構造
−人口減少の中で重要性を増す労働の質」と題するレポートを発表した。
労働の質の向上が労働者数の減少をどの程度相殺することになるのかを、
国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口』に基づき供給
サイドから試算。その結果から「2000年代の平均程度に労働の質を向上
させることができるならば、労働者数が減少しても、潜在成長率の押し下げ
を緩和することができる」と分析している。
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/rashinban/pdf/et08_145.pdf

まぁ、妥当な分析ですが、すなわち、楽にはならないということで。
我々は何のために一生懸命働くんでしょう??

こういう疑問には答えてくれない、経済学者の論文。
おいらからすると、あんまり参考になる視点無し。

潜在成長率を押し下げるのが悪いことなのか?
そういう疑問なく書いているところのナイーブさは疑問。
成長すりゃあ良いってものではないのでは?
そのへんが、潜在成長率を引き上げることを善として、そこに導くロジックになっていることが見え見えでつまんない。
生産力が低下しても、アウトプットが同じということは生産性を挙げることで、
それが真実として同等のマンパワーで生産性が向上できていることが証明
できない限り、単に一人当たりの負荷が重くなって不幸になるので。
経済学ってこういうところへの突込みが浅いというか平板なんだわねぇ。

「能力よりも提示する賃金が高い場合には、労働者が殺到することにより生じる競争により賃金が低下する。つまり、労働市場の需給調整により適当な賃金に落ち着くことになる」という仮説は経済学的におかしい。賃金が高い場合に、その賃金をもらう人数が増えることで上記の仮説は成立するが、そうではない。賃金が高い職業は賃金が高いまま高止まる。下がるのは賃金ではなく、オルタナティブが設定されることで代替機能に流れ、賃金が下がる可能性があるだけである。賃金が低い場合についてはもちろん正しい。ただし、逆は成立しない。なので不思議な論文に見えちゃうんだなぁ。

そもそも、労働の質を賃金で図ろうというところに無理があるわね。。
ま、経済学者なので、こうなっちゃうのかなぁ、残念。

0 件のコメント: