2008年9月10日水曜日

ディーセント・ワーク

国際労働問題シンポジウム「デイーセントワーク創出のための技能開発」
法政大学大原社会問題研究所とILO駐日事務所は10月1日に同大学市ヶ谷キャンパスで
国際労働問題シンポジウム「ディーセントワーク創出のための技能開発」を開催する。
今年7月に開催されたILO総会の議題の一つである
「生産性向上、雇用促進、発展のための技能開発」をテーマに政府、労働組合、使用者団体の
関係者らが討論する。
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/notice/sympo08.html
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はじめて聞きました、ディーセントワーク。
非常に耳慣れない単語。大学受験のときに覚えたかしらん?
で、早速、プログレッシブ。
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de・cent[ dsnt ]
[形]
1 〈服装などが〉まともな, 適正な, ふさわしい
 (▼「非難される点がない」という意味が濃い);身分相応の, 妥当な
 a decent living分相応の生活
 a decent dress for special occasions特別な場合のためのきちんとしたドレス.
2 〈ふるまい・言葉などが〉慎み深い, 上品な, 礼儀にかなった(⇔indecent)
 ;〈顔などが〉魅力的な, 風さいのよい, きれいな
 decent language品のよい言葉
 be decent in conductふるまいが上品である
 do the decent thing道義的にしなければならないことをする
 behave in a decent way礼儀正しくふるまう
 It is not decent to speak ill of others behind their backs.陰口をきくのはよくない.
3 かなりの, そう悪くない, まずまずの
 (▼しばしば「りっぱな」「かなりよい」の意の控え目な表現)
 a decent dinnerかなりのごちそう
 do a decent job of painting a houseとてもじょうずに家のペンキ塗りをする.
4 親切な, 寛大な
 He was quite decent to me about my mistake.私のミスにいたって寛大だった
 It is decent of you to grant my request.お願いを聞いてくれてどうもありがとう.
5 ((略式))人前に出られる[見苦しくない]服装をした.
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なるほどね、分相応なとか、高望みしないでそこそこな、というようなニュアンスなんだ。
ということは、ディーセントワークとは、分相応で高望みしない仕事、ということか。
しかし、それを創出するとは、やや語彙矛盾な感じですわね。。
雇用創出というよりは、ワークシェアリングな意味かしらん?と思いながら厚労省に確認。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kokusaigyomu/about_decentwork.html
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<ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)について>
ILOにおいては、「『ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)』の実現」を、
ILO憲章により与えられた使命達成のための主目標の今日的な表現であると
位置付けている。我が国としては、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」を、
以下のように整理している。
◎ ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)とは、人々が働きながら生活している間に
  抱く願望、すなわち、

(1) 働く機会があり、持続可能な生計に足る収入が得られること
(2) 労働三権などの働く上での権利が確保され、職場で発言が行いやすく、それが認められること
(3) 家庭生活と職業生活が両立でき、安全な職場環境や雇用保険、医療・年金制度などの
   セーフティーネットが確保され、自己の鍛錬もできること
(4) 公正な扱い、男女平等な扱いを受けること

といった願望が集大成されたものである。
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なんだ、定義があったんだ。なるほど、高望みではないわね。
ふむふむ、こういう就業基盤を満たすものとディーセントワークというのか。
でもやっぱり、創出、というのはどうだろう?
まぁ、創出なんだろうけど、あるものの基盤を整備することではないのか?
創出=新たに生み出す、というのは、いまあるものを無視するニュアンスなのであんまりふさわしくないか。
まぁ、考えすぎかも。
でも、こういう文化的で最低限度の就労環境とはなんぞや、というものに名前がついたのはめでたい。
概念に名前がないと流布しないし定着しない。
しかし、個人的にはこの分かりにくい(おいらが無知なだけ?)単語では親しみが湧かないなぁ。
ちょっとどうかしらんと思うわね、だからといって代案があるわけでもないけど。
ダイバーシティと一緒で、いまいち聞きなれるまではピンとこないけど、じわじわと効いてくるのかしらん。

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◎ ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を図るためには、各国は、以下の4つの状況に照らし、国内事情等に応じそれぞれに達成可能な目標を立てることが重要である。

(1) ILOで制定された労働に関する国際的な基準(条約等)の適用状況
(2) 雇用と収入の確保の状況
(3) 社会的保護や社会保障の適用状況
(4) 政労使三者を含む関係者による対話促進の状況
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さて、再び社会保障である。。
社会保険庁なんぞを信じて馬鹿を見続けている我々は、いかにして社会保障を実現できるか。
先日来続けて記載している、生産に貢献しない大量の不労働者を世代の中に抱えながら、老後に向けて公平で公正で平等な社会を再構築していくためにどういう仕掛けを作っていくのか、そのアーキテクチャを明確に見出さない限り、社会保障制度は、絶対にうまくいかない。これは過去に企画され、現在に利益を享受する世代のための仕組みであって、我々のためのものではない。
もう1回戦争があって、人口が激減して社会基盤が破壊されない限り、この仕掛けは回らないのだから、そろそろちゃんと次を考えないとね。
働けない人に働く機会をあたえるワークシェアリングと働けるのに働かないへーわな同世代を抱えながら、僕らのディーセント・ワークはどこにいくんだろうかしらん。

こういう条件を与えても働かんやつには社会保障を適用しないことが望ましい。
という意味でもディーセント・ワークの定着は良いことなのかもしれない。
社会保障の基準は「ディーセント・ワークが見当たらない人」である。
はてはて、基準作りは遠い道のりだが、達成すると面白い気がする。

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